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初七日、そして月命日

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6月17日金曜日、リンの初七日を家族だけで静かに過ごす
あの日以来まるで長い長い一日がずっと続いているかのように思えた日々だった
そして18日はリキの月命日
こんなところでもふたり寄りそっているんだね
仲良く連れだって歩く姿が心に浮かぶ

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台車に乗って散歩する姿を記事にした頃、リンはもう自ら食事をする事が出来なくなっていた
心筋が弱った事による酸素不足、肝硬変に進みつつある肝機能、胃腸に潰瘍状の出血があり極度の貧血
朝夕12粒ほども飲まなければいけない薬をこの頃からすべて止めた
点滴に通い体に直接入れてもらって、口からはリンが食べたいもの、食べられるものだけを食べさせた
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そんな状態であっても日中は玄関先で外の空気に触れたがるリン
夜は私達の寝室で同じ布団で眠るようになった
6月8日からは日中も寝室で過ごし、それでも頑としてシートで排泄する事を拒むので、H君が抱いて外へ連れていった
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子犬を迎える事をあきらめよう。リキならきっと解ってくれる
夫婦で話をした6月9日の夜、リンが立って歩けるようになった
「点滴の効果が出始めたのかな」
希望の光が見えたかのようだった
レシピを手に悪戦苦闘して作ったレバーペーストとおかゆを食べてくれる
翌早朝もウィダーインゼリーとプリンを、用意した分食べてくれた
「リン、おかーちゃんはちびリキを迎えに行ってくるね。楽しみに待ってて」
もしかしたらちびリキを見て生きる力、生きたいという力が湧いてくるのではないか・・・
H君が仕事を休み通院とリンの世話を引き受けてくれた
新幹線の中からもメールで連絡を取り合う

「いいぞ、リン。昨日より状態が良くなってる」
先生はそう言いながら、少しでも移動する負担が軽くなるよう、車の中で点滴をして下さったそうだ
その間これからの治療方針について先生と話し合い、H君はメールで拍手の絵を送信してきた
車中で思わず涙がこぼれ落ちる
帰宅した私を玄関先まで歩いて出迎えてくれたリン
満面の笑顔に大きく振られたしっぽがどれほど嬉しかったことだろう
ちびリキは床に降ろされるなりまっすぐにリンに駆け寄った
ちびの母親は虎毛だから一瞬母だと思ったのかもしれない
リンの口元をぺろぺろと舐めて「お腹がすいたよ」と訴える光景には初対面の違和感は全く無かった
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6月11日 明け方
私達と一緒に寝ていたはずのリンがいつの間にかちびのケージのところまで移動して、ケージに寄りそうように寝ている
・・・リン、ちびとどんな話をしていたの?・・・

私達夫婦、そしてリキ、チャチャは全力でリンを守り、全力でリンを慈しんできた
リキが旅立った時、リンは本当は後を追って行きたかったのだろう
けれどリンはあれからの日々を私達のために懸命に生きてくれたのだと思う
リキにしてあげられなかった事・・・それをすべてさせてくれる事で、リンは後悔の念で苦しむ気持ちを昇華させてくれた
リンのために食事をあれこれ工夫し、世話をやく毎日は本当に幸せだった

リンが最後に選んだ場所は玄関だった
自分で歩いて行き、H君を見送り、いつものように外を向いてうずくまり、間もなく容体が急変した
リンの体がもう限界なのは解っていたし、苦しみから解放してあげなければと思いながらも、私は手のひらでリンの胸を押し、マズルをくわえて息を吹き込み、人工呼吸をした
もう二度と目を開いて私を見てくれる事はないのだとやっと理解できるまで・・・

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あれからチャチャは、いつもリンがひなたぼっこをしていた場所を見つめるようにうずくまっている
言葉には出来ないけれど、涙は流せないけれど、チャチャが泣いている、と思う

今チャチャは毎晩私達と一緒の部屋で眠っている
by charinmaru | 2011-06-18 16:38

秋田犬&ゴールデンレトリバーと暮らす四季折々


by charinmaru