レプトスピラの恐ろしさ

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先週に続き昨日の日曜日もまた病院へ
リンのお腹の具合があまり良くない
秋田犬はお腹の弱い子が多いようで、数か月前に散歩の途中偶然お会いした秋田犬の飼い主さんも、フードのことで色々尋ねてこられた
初めて秋田犬を迎えられたそうで虎毛の男の子だそうだが、よく下痢をするのだそうだ
うちの食事内容をお話させてもらった
リキもしばしばお腹がゆるくなったが元来頑丈な子で、お腹が気持ち悪い時は自分から「いらない」と食器を突き返しご飯を抜いた。翌日にはたいがい便は普通にもどっていたものだった
リンの場合は慢性肝炎もあり、内臓の機能が弱い
リキのように胃腸を休ませれば治る事もあるが、これは稀でこじらせるとやっかいな事になる
大腸炎にまで進んでしまうと、点滴、服薬、場合によっては入院。
今年の春リキを喪った痛手から大腸炎を起こし、痛いから食べない → 衰弱 → 治癒しにくい、と悪循環になってしまって、通院と入院を繰り返した
それ以来、便がゆるめで処理した時に地面についてしまう状態になると、すぐに病院へつれて行く

リンの内臓機能が弱いのは、パピーのころレプトスピラに感染した事が大きく影響しているようだ
ワクチン接種はもちろんしていたが(7種なのでレプトスピラも含まれている)抗体はできていなかったようだ
レプトスピラ菌には様々な種類があり、ワクチン接種しても菌の種類が違っていれば効果は無い
しかもワクチンの効果の持続は3カ月から長くても半年がせいぜいだそうだ
このレプトスピラのやっかいなところは動物ならみんな感染する可能性があるという事
人間も例外ではないが、人間の場合は重篤な症状にまで陥る事は少ないそうだ
身近な動物といえばやはり「ねずみ」
レプトスピラ菌を持っているねずみの尿がなんらかで口に入るか、もしくは肉球などに傷がありそこから侵入して感染する。菌の種類によっては気付かないうちに自然治癒する事もあるようだ
尿により土中に放出されたレプトスピラ菌はなんと半年あまり生きているというではないか!

リンの場合は悪いタイミングが重なってしまったのだろう
よりにもよって肝臓が大きなダメージを受けるワイル型
これは死亡率が60%~70%という最悪なレプトスピラ菌
2002年の夏が終わりかけたころだった
この夏再々渓谷へ遊びに行っていたから感染はここだろうと思ったが、十日前後の潜伏期間を考えると前の週には行っておらず、どうもここではないようだった
こうなるともうさっぱり見当がつかない。極端な話、住宅地にもねずみはいるのだ

夕食を残し元気がないと思っていたら、翌朝の散歩の途中で歩くのもしんどそうになってしまい、あわてて病院へ連れて行った。発症だった。
もう診察台の上でも立っている事が出来ないほどぐったりして、今夜がヤマだと言われてしまう
その上、リキやチャチャもリンの尿に触れているだろうから当然感染の可能性があり、今日にでも発症する恐れがあるわけだ。観察してケアしなければならない
その夜先生にリンを託して家じゅうを掃除し消毒しながら、私はもう泣くしかなかった
その日の深夜に病院の建物の裏の入院室の下あたりで、全員でリンの無事を祈った
先生はリンの隣で寝袋にくるまりながら一晩中治療をして添い寝して下さり、翌朝リンは峠を越え生還してくれた
18キロまで育っていた体重が13キロになるほどのキツイ闘病だった
幸いリキとチャチャは感染しておらず胸をなでおろしたものの、翌日から私は消毒液を自転車に積んで走った。
リンが排泄した場所を思いつく限り廻って、消毒液を撒きに出かけた
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            レプトスピラから生還し元気になった頃のリン

この事は今も大きな負い目となっている。育ち盛りのパピーが食欲を失くし元気を失くした時点で病院へ行っていたなら、ここまで肝臓のダメージは残らなかったのでは、と思う
早ければ早いほど生還と治癒の可能性は高い。一晩様子を見て、と思った事を本当に後悔している

レプトスピラ菌と懸命に闘ってくれたリンの肝臓は、今慢性肝炎と闘っている
犬の顔色というのは歯茎で見ると教わった
ふだんはきれいなピンクだが、黄疸が出ていると黄色くなり(白目の部分も)貧血の時は白っぽい。
人間は痛みで青ざめたりするが、犬も痛みが強い時は貧血と同様歯茎が白っぽくなっている
熱中症気味の時は赤みが濃い
私はそれ以来しょっちゅう目と歯茎をチェックするようになっている
レプトスピラの感染はそうそう起こるものではないけれど、これに限らず大型犬が「全く食べたがらない」という時は、もうかなり具合が悪い時だそうだ

この記事を読んで下さった方がこの教訓を参考にして下されば嬉しいと思う
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        点滴のあと桂川河川敷を少し歩いてみた。早い処置だったのでひどくならずに
        済んで良かったね!大好きな場所で気分転換しようね
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        チャチャはいつもリンに付き添い、点滴の間もじっとおとなしく待っている。
        「いつもありがとね!」





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          2003年夏 山科 音羽山にて

リキが山に向かって正座している。リキは山に入るといつもこんな風に、しばしじっと山の声に耳を傾けるようにたたずんだり、正座して座っていたりした
私はその度に「お山の神様と交信してるんやね」と、そばでこれまたじっと立っていた

このころのリキは33キロちょっとという体重。二歳になって身体も完成し、がっしりとした筋肉質の頑丈な体躯に成長した。一番血気盛んなころ
この年の春、リキは近所の犬と喧嘩した
シロの他にもう一頭とても相性の悪い犬がいた
ラブラドールかと思っていたが、それにしては顔立ちがきつく気が荒い
犬種にうといので、とりあえずラブという事にしておこう
散歩の時通りかかるとものすごい剣幕で吠え、そのうちリキも吠えて応戦するようになり、いつしかあまり前を通らなくなっていた。
その夜はH君も一緒で二人でしゃべりながら歩いていたところ、うっかりその家の前を通ってしまったのだった
相手が吠えないとリキは吠える事はないので、小屋に入っているらしいのを幸いに小走りで通り過ぎた
案の定ラブは気付いていつものように鎖いっぱいまで飛び出してくる
あれ、やけに鎖が長い。と思ったら、なんと鎖が切れていたのだった(その時勢いで切れたのかもしれない)
ラブが追ってくる!私は「ひぇ~」というような声を出したと思う
後方からH君が来ていたがチャチャとリンのリードを持っていて、咄嗟にどうする事も出来ない
リキが瞬間身体を反転させて、二頭は半立ちの状態でがっぷり四つに組んだ
お互いの首の付け根あたりにそれぞれが噛みついている
こうなったら手など出せるものでは無い
2頭のものすごい唸り声にラブの飼い主さんも気づいて飛び出してきたが、その時にはリキはぐぃっと首を振るようにしてラブを投げ飛ばし、両手でその身体を地面に押し付けて仁王立ちしていた
やがてラブがすっと目をそらし、リキは威嚇を止めた
人間と違い、犬の喧嘩は降参した相手に攻撃し続ける事は無いのだった
すごく長い時間に思えたが、実際には数秒だったようだ

以来ラブは全く吠えなくなった。当然リキも吠えない
ところが、それまでビビっていたチャチャとリンが、エラそうに吠えるようになったのである
まさにリキの威を借るチャチャとリンなのだった
そういうのは気にくわないので、遠回りになってももう二度とラブの家の前は通らなかった

リキの身体ががっしりと出来上がりつつあるころ、病院の先生に言われた事がある
「オス同士がもし何かの拍子で喧嘩になったら、たいがいは秋田がやっつけちゃうからね。筋肉の付き方が他と違うもん。向こうから仕掛けられて被害者なのに加害者扱いされたらつまらんから、しっかり押さえがきくように日頃から気をつけて」

秋田犬には戦前に闘犬として使われた過去がある
マタギ犬の本能と同じように闘犬の本能もあるのだ。なにか事が起こればきっちり急所を噛むだろう
相手が人間なら大変な事になってしまう
リキは人が好きな子だが何事にも絶対は無い

この夏、借りていた家が更新時期にきたのをきっかけに、私達は街中を出る事に決めた
リキ、チャチャ、リンにとっては、人とクルマで混雑する街のど真ん中より、自然の匂いが近くにある所の方がきっと楽しいことだろう
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            リキにとって3件目となる山科の家で
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Commented by サコリン at 2010-11-30 14:56 x
ねぇ、ちゃりん丸さん。
以前私がブログで少しだけレプトスピラについて触れた時
拍手コメにコメントを残してくれた?
あの時はお名前が判らず、お返事も返せないままやったけど
今思うに、リンちゃんの事やったんやね。
身近に恐ろしいレプトスピラにかかったワンちゃんって居ないから
驚きました。
そのせいで、リンちゃんは肝臓が悪いのね。
でも生存率が低い中、よくぞ生きててくれた!本当に良かった。

そして、リキ君とラブの喧嘩の話。
これね、全く同じことが大五郎にもあったのよ。相手は黒いラブ!
クサリが切れて、そのお家から飛び出してきたの。
最初は金太郎を目がけて襲おうと走って来たんだけど
あっという間に大五郎が金太郎の前に立ちはだかって
その黒ラブをやっつけてくれた。私の中で忘れられない思い出。
リキ君と大五郎。。。あまりにも似ている。恐いくらい。
まだまだいっぱい話したいことがあるけど文字数が限られてるから
この辺で止めときます。いつかお会いしてリキ君のお話が聞きたいわ。
Commented by charinmaru at 2010-12-01 00:16
サコリンさん、そうです、そうです!!
あのコメント私が書いたの。覚えてて下さったんですね。
リンの感染によって知った色んな事を書きたかったのですが、長すぎる文章になるから簡単なコメントだけ残したんです。
奇しくも自分のブログを開設する事になって、こういう稀な体験で解った事が、他の色んな飼い主さんのいざという時に役に立てればって思いました。
それで今回長くなったけど書いてみたんです。

拍手コメって鍵コメみたいなもの?
メルアド残したいんですがいいですか?
私もいっぱい話したい事があります。
大ちゃんとリキって本当によく似ています。
by charinmaru | 2010-11-29 13:55 | Trackback | Comments(2)

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